住宅火災の恐ろしさ

では、今度は人災としてもっとも身近ともいえる、火災について考えてみましょう。

「同じ火災でも、商業施設や工場などの火災よりも住宅火災のほうが、はるかに死亡率が高い。」あなたはこの事実をご存知でしょうか。住宅火災は、数ある火災の中でも圧倒的に危険度が高いといえます。それはなぜでしょうか?

その原因のひとつに、人の「家と財産にたいするこだわり」があると言われています。たとえば、買い物に出かけたスーパーで火災が発生した、宿泊しているホテルで火災が発生した時などは、人はとにかくすぐ逃げます。

「自分が助かればそれでいい」のですから。しかし、自分たちの家が燃えているとなると、話は別です。

家を守るために消火をしていたが、すでに初期消火の限界を超えていることに気がつかなかった、少しでも多くの財産を火災から守ろうと家の中で粘ってしまい、気がついたときには逃げられない状態になっていた…というケースが少なくないようです。

こうして、さまざまな理由で逃げ遅れた人たちが、犠牲となってしまうのです。

中でも特に怖いのが、フラッシュオーバーの発生です。フラッシュオーバーとは、それまで家の一部にしか発生していなかった火災の火が一気に広がり、まさに一瞬で全体を炎に包んでしまう現象です。

このフラッシュオーバーが起こってしまうと、家の中は急激な温度上昇が起こるだけでなく、炎が酸素を食いつくし、一酸化炭素や二酸化炭素が大量発生します。こうなってしまうと、もう手遅れなのです。外からの消火活動さえ、うかつに近づけないほどの状態になり、誰も中まで助けには行けません。

もちろん、火災が発生しても、ごく初期の段階で気づいた場合は、素人でも初期消火で対応できるケースは少なくありません。初期消火をしてみることは、被害を最小限に食い止めるためにも有効です。

では、火災がどこまで広がると手遅れなのでしょうか?初期消火の限界はどこで見きわめればいいのでしょうか?

火災発生からフラッシュオーバー発生までの時間は、5分以内なら大丈夫といわれることもありますが、火元の位置や発生状況などによってかなりの幅が出てくるので、「まだ5分たってないからいける」などと、単純に「発生からの経過時間」だけを頼りにするのは危険だと思います。

しかし、ひとつの大きな判断ポイントとして、「炎の高さ」があります。もし、炎の高さが天井まで到達したら、とにかく即避難してください。炎が天井に到達してからは、ものの1・2分でフラッシュオーバーが発生するといわれています。

天井裏まで火が回ってしまうと、一気に建物全体に広がってしまうからです。このときにわずかでも判断が遅れると、命にかかわります。

初期消火をおこなう際にも、「天井に火がつき始めたら、問答無用で逃げる。」このことはけっして忘れないようにして下さい。

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