裁判所を利用した架空請求には要注意!

さて、先の例のように、架空請求のほとんどは「無視がベスト」というか、相手をする価値すらない、くだらない悪徳商法です。ですが、この「架空請求は無視」という考え方を逆手にとって、まれにやってくることがあるのが、「少額訴訟制度」を悪用した架空請求です。

まず少額訴訟について簡単に説明しましょう。一般的に知られている通常の裁判と異なっている点は、おもに以下の3点です。

◆民事訴訟で、原告が被告にたいして金銭支払いを要求するもののみ扱う。
◆原告が請求できる金額は60万円以下。
◆審理は一度きり。その日に判決が出ます。

一般的な裁判とくらべると、手続き簡単、費用も格安、結果が出るのが早い、というのが特徴です。しかし、こんなものでも、立派な裁判のひとつ。判決の法的効力はしっかりあります。

つまり、この少額訴訟を利用した架空請求を無視してしまうと、本当に裁判されてしまいます。このとき、原告(悪徳業者)が出席・被告は欠席となると、原告の訴えがどれほど理不尽で嘘だらけのものであるとしても、判断基準はそれしかないため、まず間違いなく原告である悪徳業者が勝訴し、被告には支払い義務が生じてしまう、ということに。

いったん法的効力が生じた支払い義務を放置したままでいると、いずれ財産の差し押さえということもありえます。こうなってしまっては、もうどうしようもありません。

この被害を防ぐためにまず大切なことは、少額訴訟を悪用した架空請求の特徴をよく知っておくことです。まず、本物の少額訴訟の場合、「特別送達」と記載された、「裁判所の名前入りの封書」が送付されます。

さらに、その封書は「本人が受け取る」ことになっており、受け取り時には「郵便送達報告書への署名または捺印」が必要です。この点をしっかり押さえておいてください。

絶対に普通郵便などで裁判通知は来ません。たとえ「特別送達」という字が封筒やハガキにあったとしても、ポスト投函されているようなものはニセモノです。

そして、「どうも本物っぽい」「判断が微妙」と感じた場合は、まず裁判所にその裁判の有無を確認してください。念のため、封筒に書かれている電話番号に連絡することは避け(業者が封筒そのものを偽造しているケースもありますので)、電話帳やホームページなどできちんと調べた番号にかけるようにして下さい。

そして、もし本物の裁判通知であれば、消費者センターや弁護士などに相談してみましょう。

この少額訴訟架空請求については、たとえ数千円〜1万円程度といっても、まず訴えを起こす悪徳業者側に負担がかかるものですから、それほど頻繁におこなわれているものではありません。遭遇率はかなり低いといっていいでしょう。

しかしいざ被害にあってしまうと、そのダメージは他の架空請求以上となってしまう怖い請求ですから、「こういう手口がある」ということだけは認識しておいて下さい。

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